今は使わなくなったウレタン塗料。特徴と価格を解説。
塗装業者に塗替工事の見積を依頼した時、場合によって数種類の塗料の提案を受ける場合があると思います。数ある塗料の中で、ウレタン樹脂塗料があります。
このページでは、ウレタン塗料がどんな特徴がある塗料なのか?を中心にご説明させていただきます。
ウレタン塗料はどんな塗料なのか?
ウレタン塗料には、水性と油性タイプがあります。
水性塗料とは希釈材に水を使います。完全に塗料が硬化するまでは水に溶けます。油性塗料とは強溶剤(ウレタンシンナー等)や弱溶剤(塗料シンナー)で希釈する塗料です。
一般的に水性塗料より油性塗料の方が耐久性(塗料の持ち)が高い事が多いです。
また水性・油性共に2液型(硬化剤を混ぜて硬化させる)ウレタン塗料があります。こちらも1液型塗料と比べて耐久性(塗料の持ち)が高い事が多いです。
現在は外壁や屋根塗装には使いません。内部の家具や木材の上塗(クリヤー仕上げ)にはお勧めします。
ウレタン塗料のメリット
・乾燥するとピカピカと光り高級感のある仕上がりになります。
・塗装下地への密着性に優れています。
・現在の数ある塗料の中では安価です。
・家具や木材等内装の塗装に向いている塗料です。
ウレタン塗料のデメリット
・現在の数ある塗料の中では外部塗装の耐久性が低い。紫外線の強い高知では南面等、条件の悪い面では5年程度で劣化してしまう。
・現在の数ある塗料の中では耐汚染性に劣ります。
・水分との相性が良くないので作業時には十分下地を乾燥させる必要がある。
・現在主流のシリコン樹脂塗料とあまり差額が無い為、比較すると費用対効果に劣ります。
ウレタン塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?
1200円~2500円/㎡です。
弊社でウレタン塗料を選ばれるお客様の割合
屋根・外壁部分に限りますが、アクリル0%、ウレタン0%、シリコン52%、ラジカル制御 1%、フッ素35%、光触媒1%、無機塗料11%です。
代表的なウレタン塗料
ファインウレタンU100(日本ペイント)
単色2回塗、㎡/1500円~
ターペン可溶2液形ポリウレタン樹脂塗料。塗料シンナーで希釈でき、作業環境にやさしい塗料です。優れた塗替え適性があります。いろいろな旧塗膜に適性があります。
ローラー作業性・はけ塗作業性に優れています。かぶり抜群・肉持ちのよい塗膜が得られます。外壁・鉄部・木部と幅広い適用性があります。
アクレックス(和信化学工業)
クリヤー仕上げ ㎡/2000円~
水性ウレタンクリヤー。屋内木部をキレイに護る、高性能な水性ウレタン塗料。速乾で肉持ち性・耐薬品性に優れた強靭な塗膜を形成し木部を保護。屋内木部全般に対応する仕上げ剤。
ウレタン塗料に関するよくある質問
Q1.ウレタン塗料は、水分と相性が悪く湿度が高いときに塗布すると塗膜性能が落ちると聞いたのですが、本当でしょうか?
本当です。ウレタン塗料に限らずどの油性塗料にも言える事ですが、被塗物に水分が多い場合や湿度の高い場合(85%以上)は塗装に不向きです。
Q2.ウレタン塗料は、配合成分に強い毒性があると聞いたのですが、本当でしょうか?
本当です。ウレタン塗料に必要な硬化剤には、イソシアネートと呼ばれる強い毒性のある成分が配合されています。この成分は、長い期間吸い続けてしまうと、ぜんそくなど呼吸器へ影響が現れることが報告されていますが、塗料メーカーにはMSDS(製品安全データシート)がございます。それに元に使用を行っておりますのでご安心ください。
Q3.ウレタン塗料専用のシンナーを使用しなければいけないと聞いたのですが、本当でしょうか?
半分本当で、半分間違いです。強溶剤ウレタン樹脂塗料においてはウレタン樹脂専用シンナーを使用しなければ本来の性能を発揮しませんが、弱溶剤系であれば使用可能です。
Q4.ウレタン塗料は、柔らかく扱いやすい、硬化した塗膜もヒビ割れしにくいと聞いたのですが、本当でしょうか?
全てではないですがほぼ間違いです。油性塗料はシンナーや硬化剤を配合して使用する場合、全てのウレタン樹脂塗料が柔らかく扱いやすいとは言えませんが、油性塗料は塗膜が固い為、水性塗料と比較してヒビ割れを起こしやすいと思います。
まとめ
弊社においては10年以上前から屋根・外壁においてはウレタン樹脂塗料を使用していません。高知県のように紫外線が強い地域では特に耐久性に劣る為、お客様にお勧めできないからです。
新築時や改修時における木部(カウンターや家具等)のクリヤー仕上げには最適の塗料ですので此方はお勧めできます。