下塗り用塗料の種類と特徴
塗装工程の中で軽視されがちな下塗工程ですが、しっかりとした下塗を行わなければ、優れた仕上げ塗料を使用しても本来の機能が発揮されないため意味がありません。
このページでは、下塗工程や下塗塗料の種類を中心に紹介しています。
下塗りの役割
下塗りには上塗り塗料の吸い込みを防止したり、劣化した下地の強化する役割があります。そして、下塗りをきちんと行うことで、上塗りの密着性を高めることができます。
下塗り用塗料の主な種類
シーラー
接着、シール、覆い隠す、塞ぐという英語が元になった用語です。粘り気が無い塗料で(塗装用語でシャブイ)被塗物との密着性を高めます。
さらに被塗物に浸透し易いため、上塗りの吸い込みを防いだり、劣化した下地の強化を図る役割もあります。
代表的な塗料
日本ペイント:ファイン浸透シーラー、水性パーフェクトシーラー
水谷ペイント:マイルド浸透シーラー、水系パワーシーラーⅡ
スズカファイン:ワイドシーラーEPO、サミプラ
プライマー
英語のプライマリーからきた用語で、シーラーと同様の役割がありますが、シーラーに比べ塗料の粘度は高い事が多いです。
また、種類は浸透性プライマー、防錆プライマー等があります。
代表的な塗料
日本ペイント:パーフェクトプライマー、水性ハイポンプライマー
水谷ペイント:ウレタイトプライマー、水系パワーシーラーⅡ
フィラー
コンクリート等の被塗物に、ヘアークラック(幅0.3mm以下、深さ4mm以下のひび割れのこと)が発生している時や凸凹がある場合の段差調整に使用される下地調整剤です。シーラーと同じ効果がある物が多いです。
代表的な塗料
関西ペイント:アレスダイナミックフィラー
日本ペイント:パーフェクトフィラー
微弾性フィラー
上記のフィラーに弾力性を持たせた塗料です。
代表的な塗料
日本ペイント:アンダーフィラー弾性エクセル
SK化研:水性ソフトサーフSG
スズカファイン:リメークプラ
バインダー
シーラーとよく似た下塗材ですが、シーラーは吸い込みが激しい下地の吸い込み防止のために使われる事が多いのに対し、バインダーは吸い込みが起きない下地に使用して、しっかりと上塗り塗料を密着させるのが目的です。
代表的な塗料
染めQ:ミッチャクロン
サーフェイサー
サーフェイサーはどちらかと言うと下塗りでなく、下塗りと上塗りとの間で使用する中塗り塗料になります。
パテ付け面の保護、凸凹の微調整、吸着性の向上、上塗り塗料の溶剤が原因で起きるリフティング(塗膜の表面が縮み亀の甲羅のような模様になること)を防ぐ目的として使用されます。
代表的な塗料
ロックペイントン:プラサフ
まとめ
下塗りは意外と軽視されがちですが、とても重要な工程です。また下塗りにも数々の種類があり、対象の被塗物により何を使用するかも様々です。
各塗装業者によって選定は違うと思いますので、どうしてその下塗材を使用するのか?ご納得されるまで質問してみてください。